会場となるCarré à la Farine(カレ・ア・ラ・ファリーヌ)はヴェルサイユ宮殿にほど近く、歴史と文化の薫り高い街の中心に位置し、芸術家にとって特別な舞台となる展示空間です。
1842年に建設されたノートル=ダム市場(王の市場)の一角にある粉倉庫を改装したホールで、現在はヴェルサイユ市が所有する公共施設として広く利用されています。その空間は天井高く開放的で、均整の取れた壁面と柔らかな自然光が作品の魅力を際立たせ、来場者に落ち着いた鑑賞体験を提供します。
加えて、ここでは二つの由緒あるサロン展が開催されてきたことで国際的に知られています。ひとつは160年の歴史を誇るサロン・ド・ヴェルサイユであり、市民と芸術家の交流を基盤に成長してきた地域を代表する展覧会です。長い年月をかけて培われた信頼と権威は、ここで発表される作品に確かな重みを与えてきました。もうひとつは1904年に創設され、120年以上の歴史を持つサロン・ド・エコール・フランセーズです。当初はフランス人アーティストのみを対象に始まりましたが、1950年代以降は外国人作家にも門戸を開き、多様な表現を取り入れることで時代に即した柔軟性を獲得しました。2019年からはCarré à la Farineを会場として、抽象から具象まで幅広い現代美術を紹介しています。これらの伝統あるサロン展が開催されることで、会場そのものが芸術史の流れと現代の創造性を結びつける場として位置づけられています。
また、この施設はヴェルサイユ宮殿から徒歩圏内にあり、観光客や美術愛好家、市民が自然に足を運ぶ恵まれた立地にあります。そのため、ここでの展示は観光と文化体験の相乗効果を生み、国内外の幅広い来場者と作品を結びつける力を持ちます。
Carré à la Farineは、ヴェルサイユ市の公共文化施設としての信頼性と、宮殿に隣接する特別な環境を備え、アーティストにとって歴史と現代、地域と世界を繋ぐかけがえのない舞台となります。